会計 簿記勉強

簿記1級_為替予約とタイミング

為替予約とタイミング

為替処理であっても、債権債務の発生日と為替予約のタイミングで、以下それぞれ処理が異なる。
このパターンは、おそらく17回目まで本試験では出ていない。

ネットスクールさんの、170回予想問題集 予想3の会計学第2問が良問だったのでまとめておく。

問題

第2問
次の[資料]に基づき、20X3年度(20X3年1月1日~20X3年12月31日)の連結損益及び包括利益計算書における為替差損益とその他の包括利益、連結貸借対照表における前受収益の金額を答えなさい。

【資料】
1.20X3年度における取引
10月1日 商品100千ドルを掛けで仕入れた。直物相場は1ドル当たり120円であった。
11月1日 翌20X4年1月31日を決済期日とする為替予約180千ドルを締結した。当該為替予約は、10月1日の買掛金と将来の予定取引(仕入取引)をヘッジする目的で行ったものである。直物相場は1ドル当たり118円、予約相場は1ドル当たり115円であった。
12月1日 商品30千ドルを掛けで仕入れた。直物相場は1ドル当たり113円であった。

2.留意事項
(1)為替予約の会計処理は、「外貨建取引等会計処理基準」に定める振当処理による。為替予約時における直物相場による換算額と予約相場による換算額との差額(直先差額)は、適切に期間配分する。
なお、為替予約の契約が外貨建取引の前に締結されている場合には、外貨建取引及び金銭債権債務等に為替予約相場による円換算額を付す。
(2)20X3年度中に行われた為替予約は、ヘッジ会計の要件を満たしている。
(3)税効果は考慮しない。
(4)20X3年度期末における直物相場は、1ドル当たり112円であった。また、為替予約の時価は、1ドル当たり+2.9円(予約相場:117.9円)であった。

1)債権(債務)発生後に、為替予約

これが、いつもの出題パターン。普通の振当処理。

借方:買掛金 500 / 貸方:為替差益 400
                           / 前受収益 100

20X3年度 為替差損益:200+200=400(差益)
その他の包括利益:145
緑枠=ヘッジ損益は、連結損益及び包括利益計算書上、その他の包括利益の区分に計上します。
前受収益:300-200=100

時系列図(例)

20X3.10.1          20X3.11.1           20X3.12.31         20X4.1.31
120円/$(差益200)→118円/$(直先差額200)→ 決算(差益200)→ 決済(差益100)
        ↑                      ↑
      2か月                  1か月

2)為替予約締結後に、債権(債務)発生

振当処理では原則として、直先差額を期間配分します。
なお、為替予約が外貨建取引の前に締結されている場合、実務上の煩雑性より、取引全体を予約レートで換算できます。
(外貨建取引等の会計処理に関する実務指針 8)

3)決算時(予定為替予約)

予定取引分については決算時に時価評価し、評価差額を繰り延べます。

(為替予約)145 / (繰延ヘッジ損益)145
※ 50千ドル × 2.9円 = 145

解答

  • 為替差損益:400千円
  • その他の包括利益:145千円
  • 前受収益:100千円

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