回収率263.88%。競馬AIの研究中、この数字を見た瞬間、わいの脳内ではもう表彰式が始まっていた。まだ本番のゲートも開いてへんのに、気分だけはウイニングランや。
今回は、新方式で実際に大損した話やない。本番採用の申し送りまで作ったあと、投入前に比較をやり直し、採用をいったん保留した話。以下の金額と回収率は、すべて履歴シミュレーションによるものや。現金購入の実績とは違うで。
263.88%で、判断だけ先行した
研究の土台は、2つの競馬予想モデル。その予想を受け取り、買い方やレースを見送るかどうかを選ぶ補助モデルを試していた。馬を選ぶ係に加えて、買う係も賢くしたらどうやろ、という研究や。
補助モデルの設定を選ぶ2025年10〜12月で出た、シミュレーション回収率が263.88%。ここでわいの慎重さが、きれいに放牧へ出てしもうた。
実際に「これ、方向性ええんちゃう?」「今回の予想から本番投入したい」「従来方式を比較用に回そう」と話し、本番採用の申し送り文まで作った。仕事が早い。判断も早すぎる。検証は慎重に進める。なお、263%を見たわいは例外だった。
その数字、何年の結果やったっけ
ところが、私とAIで比較する期間をそろえて見直すと、空気が変わった。2026年1月〜10月18日、同じ対象2,802レースで比べた結果がこちらや。
| 方式 | 購入R | 投資額 | 回収率 | シミュレーション収支 |
|---|---|---|---|---|
| 新方式 | 2,752R | 27,520,000円 | 91.69% | −2,287,110円 |
| 従来の2〜4頭馬連BOX+見送り | 1,021R | 10,210,000円 | 94.24% | −587,620円 |
購入するレースは、どちらも1R1万円。ただし購入数が違うので、投資額も違う。新方式は多くのレースを買い、同期間の回収率でも従来方式を上回っていなかった。収支の差を、そのまま買い方だけの優劣とは言えへん。買うレースの選び方も違うからや。
ここで比べるのは2026年どうし。2025年の263.88%と2026年の94.24%を並べて、新旧の勝敗をつけたらあかん。2025年10〜12月について従来方式も同条件にそろえた比較は、まだ行っていない。
過去問の好成績で、初見の試験に突撃しかけた
ややこしいのは、モデルごとに、その期間の意味が違ったことや。2025年10〜12月は補助モデルには設定選択用の期間。でも、その元になるランキングを作った基本モデルにとっては、学習済みの期間だった。
見覚えのある過去問で好成績を出したからといって、初見の試験でも同じ点が取れるとは限らん。そんなイメージや。基本モデルのランキングが将来より良く出て、補助モデルの収益見込みも良く見えた可能性がある。さらに、いろいろな設定から成績の良いものを選ぶこと自体にも、上振れを拾う余地がある。
これは、ランキングを丸暗記したとか、結果を直接入力したとか、不正をしたという意味やない。263.88%が捏造だった話でもないし、成績低下の全部を過学習だけで説明できたわけでもない。数字は出ていた。そこから先の期待を、わいが膨らませすぎたんや。
採用保留。次は欲望もチューニング
そこで「65は、もう少し検討しよう」と採用判断を保留。新方式の本番投入前に、検証へ戻ることになった。AIが万能の監督として止めた美談でもない。わいとAIで数字を並べ直し、判断を見直した記録や。
次は、買い方を変える効果と、見送るレースを変える効果を切り分ける。同じレースを買う条件で買い方を比べ、買い方をそろえて見送りを比べる。どこが効いたのかを確かめてから、改めて採用を考えるつもりや。
モデルのチューニングより先に、私の欲望のチューニングが必要だった。競馬AIを育てていたつもりが、私の判断力も育成中でした。研究は、まだ続くで。
鹿と馬で振り返る、今回の制作日誌をYouTubeで見る。鹿と馬の場面は演出用のイラストや。